当院における審美歯科の考え方
審美と機能向上の両立をめざします
審美歯科とは一般的に、歯の見た目を良くする歯科のことを意味しますが、当院では機能の向上も兼ねる治療が審美歯科だと考えています。
見た目がいくら良くなっても、歯の機能が損なわれてしまっては意味がありません。当院では総合的に患者さんにとって良い治療であるかどうかを考慮します。また、審美的に優れた詰め物や被せ物は、機能美も兼ねることが多いのも実情です。
歯の黄ばみや汚れを取るクリーニング
当院では、歯の黄ばみや汚れを取るために、専門的な施術「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を行っています。
PMTCとは
歯科医師や歯科衛生士がクリーニング専用の機器を使って行う、お口の中のお掃除のことです。
歯垢や歯石が増えると、それらに潜む細菌が集まってバイオフィルムと呼ばれる薄い膜を形成します。バイオフィルムは通常のブラッシングでは取り除けません。PMTCを行うことでバイオフィルムを除去し、虫歯や歯周病を予防することができるほか、着色汚れも落とすことができます。
PMTCのメリット
- 歯の表面についた着色・ヤニを取り除ける
- ブラッシングでは落とせないバイオフィルムを除去できる
- 爽快感があって気持ちがいい
歯を白くしたい方へ ホワイトニング
歯に専用の薬剤を塗ることで歯を白くしていく方法を「ホワイトニング」と言います。ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と患者さんご自身で取り組む「ホームホワイトニング」の2種類があります。
オフィスホワイトニング
すぐに歯を白くしたい人に向いている方法です
オフィスホワイトニングとは、歯に直接薬剤を塗布し、ホワイトニング専用の光を照射することで白くする方法です。1回1時間ほどの施術で効果が現れるため、すぐ歯を白くしたい方に向いています。その一方で、ホームホワイトニングに比べると色が戻る可能性は高くなります。
ホームホワイトニング
自分のペースでじっくりと白くしたい人に向いている方法です
ホームホワイトニングとは、患者さんの口に合ったマウスピースを作製し、その中に薬剤を入れ、口にはめることで歯を白くする方法です。
毎日2~8時間装着していただくと、2~4週間で効果が現れます。オフィスホワイトニングに比べて即効性は低いのですが、その分、じんわりと深く薬剤が浸透することで色が戻る可能性が減ります。患者さんの都合に合わせて取り組めることもメリットの一つです。
当院が勧めるホワイトニングの方法
まずはオフィスで不安感を払しょくし、ホームで白さを継続させましょう
当院では、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングをセットでご利用いただくことを勧めています。
薬剤への抵抗感や不安感のある方はまず、歯科医師や歯科衛生士がそばにいる歯科医院でオフィスホワイトニングを受けることで、施術の雰囲気や効果を確認できます。ホワイトニングに慣れることで、それ以降のホームホワイトニングにも取り組みやすくなります。
ホームホワイトニングは、一度マウスピースを作ってしまえば、後は薬剤をその都度購入すれば良いだけなので、継続的に取り組みやすいと言えるでしょう。
銀歯やすきっ歯が気になる方へ
銀歯やすきっ歯の見映えが気になる方は詰め物や被せ物の治療を行うことで、悩みを解消することができます。こちらでは美しく、機能にも優れた詰め物・被せ物をご紹介します。
審美歯科とは
詰め物・被せ物の種類
メタルボンド
通常の保険のきかない差し歯がこれにあたり色調、形態ともに優れています。
唾液の吸収による変色や口臭の心配もありません。
内側を強固な金属で補強しますのでブリッジなどに最適です。
見た目の美しさ | ★★★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★★★ |
体との調和 | ★★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
ジルコニア
通常金属で補強するコーピング(内側)部分をジルコニアで製作し、さらにその上にセラミックを築盛し製作します。
強度が高いためブリッジにも適応します。
金属を一切使わないのでより自然な色調が再現できます。
また永年の使用にも変色せず、健康的な白い歯の輝きで、天然歯のような美しさを保ちます。
金属アレルギーの心配もありません。
ジルコニアは金合金と比較すると重さが3分の1と軽いので違和感がありません。
見た目の美しさ | ★★★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★★★ |
摩耗のしにく | ★★★★★ |
体との調和 | ★★★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
ポーセレン・ラミネートベニア
歯の表面をわずかに削り、セラミックを表面に張り合わせます。
歯の色調を白くしたい方、歯の形を修正したい方に最適です。
見た目の美しさ | ★★★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★★★ |
体との調和 | ★★★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
ハイブリッドセラミック
セラミックとプラスチックの掛けあわせた素材で製作します。
色調、強度ともに保険のプラスチックに比べ優れています。
症例により金属で補強する場合があります。
見た目の美しさ | ★★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★ |
体との調和 | ★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★ |
インレー
セラミックとプラスチックを掛けあわせた素材で製作しますので、色調、強度ともに優れています。
インレーに最適の素材です。
見た目の美しさ | ★★★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★ |
体との調和 | ★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★ |
硬質レジン
見た目の美しさ | ★★★ |
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変色のしにくさ | ★★ |
摩耗のしにくさ | ★★ |
体との調和 | ★★ |
口臭の出にくさ | ★★ |
歯の表面をわずかに削り、セラミックを表面に張り合わせます。
プラスチックの差し歯です。
永年使用していると、唾液を吸収し、変色したり、擦り減ってしまうことがあります。
前歯の舌側(裏側)は全て金属で製作し、奥歯については補強する金属の使用が保険で認められていません。
インレー
素材がプラスチックです。
唾液を吸収しますので永年の使用で、変色したり、擦り減ったりします。
ゴールド
ゴールドで製作します。
フィット(適合)にすぐれ天然歯と近い硬さで、対合歯(噛み合う歯)を痛めません。
生体親和性にすぐれていますので、体にやさしく、また歯茎との境目も黒くなりにくいのが特徴です。
見た目の美しさ | ★★★ |
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変色のしにくさ | ★★★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★★★ |
体との調和 | ★★★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
インレー
ゴールドで製作します。
適合性にすぐれていますので歯との境目からの2次カリエス(虫歯)になりにくいのが特徴です。
奥歯の使用に最適です。
見た目の美しさ | ★★★ |
---|---|
変色のしにくさ | ★★★★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★★★ |
体との調和 | ★★★★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
保険の被せもの
通常の銀歯です。
噛む機能に問題はありませんが、永年の使用で、黒く変色してしまうことがあります。
また、アレルギー反応を起こすこともあります。
見た目の美しさ | ★★ |
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変色のしにくさ | ★★ |
摩耗のしにくさ | ★★★★★ |
体との調和 | ★★ |
口臭の出にくさ | ★★★★★ |
メタルボンド
金属の周りをセラミックで覆った素材です。外から金属は見えないので見た目がきれいで、変色もしません。オールセラミックよりも安価であるため、多くの患者さんから選択される治療方法です。中が金属でできているため、強度も高いです。
メタルボンドのメリット
- 硬度が高く、摩耗しにくい
- 変色しない
メタルボンドのデメリット
- 中の金属が透けることで、歯が黒ずんで見えることがある
- オールセラミックに比べて、透明感に劣る
オールセラミック
セラミックとは有田焼などで知られる陶器の材料のことで、天然の歯に近い色合いで、経年による変色もありません。また、表面が滑らかで歯垢がつきにくく、金属を一切使用していないため、金属アレルギーが起きる恐れもありません。オールセラミッククラウンは、素材の全てがセラミックでできています。
オールセラミックのメリット
- 見た目が天然の歯に近く、白く美しい
- 歯並びや噛み合わせの改善にも利用できる
- 金属を使用しないため、歯肉の変色や金属の露出などがない
- 金属アレルギーが起きない
- 歯垢がつきにくい
オールセラミックのデメリット
- 歯を削る量が比較的に多い
- 健康保険が適用されないため、費用が高い
ジルコニア
硬度が高いセラミックの一種で、俗に「人工ダイヤモンド」と呼ばれています。噛み合わせたときに最も力がかかる奥歯の治療に向いています。
ジルコニアのメリット
- 見た目が天然の歯に近く、白く美しい
- 歯並びや噛み合わせの改善にも利用できる
- 金属を使用しないため、歯肉の変色や金属の露出などがない
- 金属アレルギーが起きない
- 歯垢がつきにくい
- 硬度が高いため、欠ける可能性が少ない
ジルコニアのデメリット
- オールセラミックよりも透明感に劣る
- 歯よりも硬いため、噛み合わせの調整に注意を要する
- オールセラミックよりも費用が高い
ハイブリッド
セラミックとレジン(歯科用プラスチック)の混合材です。オールセラミックよりも柔らかいため、他の歯にダメージを与えにくいメリットがあります。その一方で、時間が経つと変色してしまうデメリットもあります。
ハイブリッドのメリット
- 硬度が高く、摩耗しにくい
ハイブリッドのデメリット
- オールセラミックに比べて透明感に劣る
- 数年経つと、若干、変色することがある